代表作をいくつか、ピックアップ。


デジタル黎明期のデビュー作。try&zen 1999年

はじめてデジタルのクリエイティブ作品を創ったのが1997年。まだ国内では応募すべきアワードもなく、いきなりカンヌのサイバー部門にチャレンジ。その最初の作品がtryとzen。tryの制作コンセプトは「答えはひとつじゃない」。アートディレクションはニューヨークのファニーガベージ。当時世界で最先端を行くチームの力を借りた。一方のzenは、京都高台寺で撮影。こちらはすべて日本人の力だけで完成させた。好対照なふたつのデビュー作。

 



コンテンツクリエイティブ。小学館コミック 2007年

小学館がケータイでコミックが読めるサービスを開始した際のキャンペーン。人気漫画キャラクターをQRコードで読み込めるドット絵に分解。文脈のクリエイティブではなくコンテンツクリエイティブにチャレンジ。世界中が知っている著名なキャラクターをデジタルで再構成し直す勇気を評価され、カンヌ銀賞。


広告をアートに変える。スローガンジェネレーター 2008年

 

世界最大のメディアアートフェスティバル、アルスエレクトロニカの会場に設置したメディアアート作品。広告クリエイティブにとっては神聖とも言えるスローガンを、ユーザーがリアルタイムで自在に変えてしまえる装置。来場者は、この年のアルスエレクトロニカの公式スローガンを自分の好きな言葉に変更し、それをプリントした公式Tシャツを受け取ることが可能。

 

この作品はのちに東京都現代美術館に於いても展示された。


サンタは夏には何をしている?BBIQ 夏のサンタ篇 2009年

九州通信ネットワーク(株)が提供する光ブロードバンドサービスBBIQのCM制作を担当。これは「夏のサンタ篇」。九州の子供たちに「ハッピーな光」を届けるため、クリスマスの日にサンタがやってくる。ところで、世のサンタクロースたちは夏の間は何をやっているんだろう?ひょっとしてクリスマス当日にヘマをしないよう日夜さまざまな訓練に励んでいるのではないだろうか?…既存の事柄の裏側を常に考えてみるのがクリエイティブ。imagine of opposite。演出は三木俊一郎さん。


ナラティブなモノ・カタリ。Be.Okinawa 2013年

 

沖縄がその歴史の中で育んできた内在するストーリー(ナラティブ)をテーマにしてコンセプトを開発。コピーはロンドンをベースに活躍するクリエイティブ集団TOMATOのメンバーによるもの。

 

沖縄の魅力を最もアトラクティブに表現するのは、実はbe動詞そのものではないだろうか。Be.Okinawa


発想のヒントはハルスマン。九州から輝こう。 2014年

 

九州通信ネットワーク(株)の企業ブランディングCM&グラフィック。発想のヒントはオノマトペとハルスマンのジャンプブック。日本語に特に多いとされるオノマトペ(擬態語)を使ったラジオCMを制作。つながり方は人それぞれ。

 

 

TVCMでは登場人物たちをトランポリンに乗せジャンプさせて撮影した。人はジャンプしている時、その人の素顔に戻るというコンセプトで撮影された、ハルスマンの名作写真集が発想のヒント。


アートとサイエンス。石黒浩教授とのコラボレーション 2015年

 

世界的に著名なロボット工学者、大阪大学の石黒浩教授との各種コラボレーション。日本科学未来館においては、子供の姿をしたアンドロイドを偶像化させる造形演出にトライした。(アートディレクターは下浜臨太郎氏)

 

アーティストやサイエンティストとのコラボレーションで学んだことは、企画とエクゼキューションは常に表裏一体のものであるということ。彼らにはテクノロジーとクラフトマンシップに裏打ちされた確固たる作家性がある。「ただ新しい企画を考え続ける」ことだけに終始する、従来の広告クリエイティブの危うさを痛感させられる今日この頃。


人間性の拡張、とはなにか。なんだったのか? 2016年

 

アメリカ、テキサス州オースティンで開催される世界最大のビジネスとコンテンツの祭典、音楽と映像とインタラクティブのフェスティバル、SXSW。その2016年のジャパンハウスのお手伝い。メイン展示演出には大阪大学の石黒浩氏を招聘。「人間とは何か?」をテーマにさまざまな形態のロボットを創り続ける石黒教授とのコラボレーションを意識して、テーマを「extension of humanity」とした。

 

メディアやテクノロジーは人間の機能を拡張するためのもの。…今から50年以上前にメディア学者のマクルーハンが語った言葉「extension of men」のその先の意味を、2016年の今、私達は改めて問い直すタイミングに来ているのではないだろうか。

 

テクノロジーは人間性をどう拡張するのか。その先にあるのは持続可能な薔薇色の未来社会か。あるいは、私達を待ち受けているのは更なる人間性の謎、その深淵なのか。…

 

*SXSW、ジャパンハウスは(株)AOI Pro.をはじめとした実行委員会方式でオーガナイズされたもの。なお、この「extension of humanity」のアートディレクションはロンドンを拠点に活躍するLand Ahoyさんが担当した。


共創型ブランディング開発 2016年

 

九州通信ネットワーク(株)の法人向けサービスのネーミング・ロゴ開発を担当。その際、クリエイティブのプロとして最適のアウトプットを考案する従来型の手法に加え、クライアントの皆さんと共創していくコンサルティング方式を採用。皆さんと共にビジョンメイキングをし、ネーミング・コピーライトのベーシックな部分を皆さんが自律的に発想するのを引き出していくためのワークショップを数回実施。

 

特に企業のネーミングやロゴのように、数十年使い続ける可能性のあるクリエイティブワークにはこの手法は最適と感じている。